こらむ Trombone Doodleタンギングについて   

1.Doodleとは!

まずは、Doodleタンギングとはどのようなものか?についてちょっと話します。すでにご存知の方は読み飛ばしてください。とはいっても短い文章ですから読んでみてください。
  Doodleタンギングはバルブのないスライドトロンボーンで非常に有用なレガートタンギングの一種です。通常習うレガートタンギングは「ドゥードゥー」、ダブルの場合は「ドゥグドゥグ」でしょう。ところがここに最強のレガートタンギング「Doodle」が登場しました。フォンタナさんを筆頭に数多くのJAZZプレイヤーが華麗にこのタンギングを使っています。
  いかがでしょう。すごいでしょ。わかりませんか?わからなかったでしょう。

2.日本人のためのDoodle講座!

日本では英単語をカタカナで表記します。ここで登場するDoodleはどう書かれるのでしょう。それでは質問です。

問1:  レガートタンギングの一種であるDoodle はカタカナで表記すると次のどれが正しいですか。(20点)
1.ドゥードゥル
2.ドゥドゥル
3.ドゥードル
4.ドゥー△
5.ドゥ△
(注:△は今回新規に発案された「新カタカナ」です。50音表では「ン」の後ろに記載される予定です。)
回答は4または5です。

3.日本人へ。「L」と「R」の発音についての復習!

その1・・・舌の先を上顎にシッカリつけるのが「L」つけないのが「R」です。
中学生の頃から英語の時間に学ばされたあれですので皆さんも充分ご承知のこと。とはいえ英語環境に恵まれず結局日本語環境でバリバリに育った方々にはこの2種類の発音を自然に区別することが身についていないのも事実でしょう。区別をつけなくても日本語環境ではめったに誤解されたり怒られたりすることはなかったでしょう。どちらでもなんてことなく良いのです。しかし、Doodleを習得しようとされる人。あなた。あなたに助言したいのはこの「L」の発音が重要だということです。ここを誤って、勘違いしてDoodleをはじめても回り道をしてしまいます。

その2・・・日本語における「ラリルレロ」の発音のあいまいさについて
街中で日本人を相手に「ラリルレロ。ラリルレロ。ラリルレロ。れろれろれろ。れれれのれ。」と話しかけたとしよう。この場合舌の先が上顎についていようといまいと、話しかけられた人は「ラリルレロ。ラリルレロ。ラリルレロ。れろれろれろ。れれれのれ。」と聞き取ってくれるはずだ。すべてを「L」で発音した場合、「R」で発音した場合、「L,R」混ぜた場合の3通りでやってもまず日本人なら同じことをしゃべっていると理解してくれるはずだ。しかし、と同時に、この人はかなり危ない人に違いないとも受け取られる。相手はこれ以上関わり持ちたくないので何も聞かなかったかのようなそぶりで早足にその場を逃げ去っていくことも間違いない。最悪の場合は「テメエバカにシテンノカヨォ。おぉ。おぉ。」などと凄まれ、殴られてしまうこともある。だから街中で実験してはいけない。

その3・・・「L」はカタカナで書くと「エル」ではない!
英単語をカタカナで表記することは日常的に行なわれています。たいていの場合は「聞いた感じが似ていれば」良いのですから罪はありません。しかしながらDoodleを習得しようとしている場合、これは致命的です。しっかりしたカタカナ表記で日本にDoodleを広めなければいけないからなのです。
さあ、表題に戻ります。「L」はカタカナで書くと「エル」ではない!カタカナで書くと「エ△」が正しいのです! 「△」は先ほど登場させた新カタカナです。舌の先を上顎歯茎上部にしっかりと貼り付けて(舌の左右は開けます)そのまま声をだします。

その3ちょっとおまけ・・・「ん」について 
口は開き舌を全部上顎に貼り付けて発声します。結局のところ口から空気が出るところがなく鼻からしか出ない。この状態での発声が「ん」のようです。これに対して「△」では舌の左右が開いているのでここから空気がデてきマス。

その4・・・△ーについて
△の発音の方法はわかってもらえましたか?
では確認問題です。

問題2: 「△ー」と「ルー」の発音の違いについて述べなさい。(40点)

回答:
「△ー」は舌の先を上顎歯茎上部にしっかりと貼り付けて(舌の左右は開けます)そのまま声をだします。そしてそのままの状態で伸ばします。舌の先は上顎歯茎上部から離れてはいけません。良いといわれるまで離してはいけない!。はい。離していいです。

「ルー」は舌の先を上顎歯茎上部に一瞬当てようがあてまいがどちらでもよく、一般日本人に「ル」かなと思ってもらえる程度に「ル」と発音し、そのあと「ウ」という母音を伸ばす。つまり伸びている音は「ウ」なのです。

では、いよいよDoodleのやり方に進みましょう。

4.△!

今までの章で「L」の発音を正しく表現するカタカナ「△」を説明してきました。なぜこのようなことを説明してきたかといいますと、Doodleをなんとかしてカタカナで表記し、日本人にわかりやすく説明したかったからなのです。カタカナ表記への執着です。ではいよいよDoodleの発音練習にはいります。Doodleは「ドゥ△」と発音します。「ドゥル」ではありませーん。ですからダブルタンギングで16分音符16発は、「ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△」または、「ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△ダ△」となります。いかがでしょうか?うまくできましたか?

5.日本人だったら、あとは訓練!

ということで、ドゥー△ータンギングが、いかに日本人に向いていないか、日本人には習得が難しいのかがわかってもらえたでしょう。フォンタナさんはクリニックで子どもたちにもDoodleタンギングを指導し、子どもたちもできるようになるとおっしゃっています。これは「L」の発音をちゃんと「△」と発音できる英語の達人子どもだから成せるのであって、ちゃきちゃきの日本人には困難なことだと思います。日本人として日本語環境で生活している私たちには、△、△ーという発音、発声は普段必要とされていません。だからそのような舌の形状はしないのです。発声できるようにするには何回も何回も「ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ダ△ダ△ダ△ダ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ドゥ△ダ△ダ△ダ△ダ△」と舌を動かすしかないでしょう。空気の流れはドゥの時は舌の上をすなおに直進、△のときは舌の左右泣き分かれ2分割進。これが交互に明確にできると、美しいレガートタンギングとなります。舌の動かし方ばかりに着目してきましたがドゥー△ータンギングでは重要なポイントとして、
1.mp,mf程度の音量で吹くこと。あまり大きな音(大量の空気流量)は出さないように。
2.mf、mpとはいっても、腹に力を入れて常に圧力の高い息を送り込むこと。
です。
                                            2001/3/25号  
 役に立ちましたでしょうか? 
と、ここまで解説はしてきたもののそういう自分は?...まだまだ「ダ△ダ△」常用とまではいきません。早くなるともつれてしまいます。また、切れが悪くなってしまいます。今のところ実用レベルでは「tukutuku」ダブルタンギングとの併用とさせていただいております。まあ、無理せず地道に訓練してくっきゃない。

 では第3号をお楽しみに......


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