Study 1
 
研究その1:
とはいってもひとつの譜例から研究できることはたかが知れている。なんたってカールフォンタナ様。ここではArno MorshとのCDからBbの循環「Apple Honey」からはじめてみよう。FontanaさんはBb、F、,Ab、Beを中心に語ればはずれはない。 なかでもBbの循環ものからは、ぞくぞくとおいしいフレーズが発見される。フレーズの宝庫だ。 特にtrade8(8バース)では基本パターンがちりばめられている。今回の研究はそのTrade8の部分からである。 まず譜例をみてサンプル音を聴いていただこう。 ただし、断わっておくがこのサンプルはFONNTANAさん非公認勝手解釈私的見解による自己演奏家庭内安易録音だ。 CDから無断で採音したものではない。それゆえこのサンプルは決して正しいものではないのである。 

 


 

サンプル音
sample1.wav (Apple Honey  WAV Sound file 388kB) 
 
 

この8小節の研究(前説)
ここでは8小節を一息で吹いている。よくあることだ。私的解釈ではdoodleタンギングでのフレーズ作りは 書道で言えば草書のように、一息で続けてまとめあげることではないかと思う。 フォンタナさんのフレーズは流れがうつくしい。さて、しかしだ、この曲ほどテンポが早くなると、 そうばかりは言ってられない。8小節がまとまっているだけでもすばらしいのである。 ぼくにはこのスピードでタンギングすることは到底不可能なので自己最高速度で吹いている。
では研究レポート開始。   

 
 
 
<全体的に>
5小節目のあたま以外は8分音符均等2つ割である。この総合計約60粒の音符が、 機械で奏でた単純音楽のようにならないのはひとえにアクセント、強力なタンギング、スライドワークのおかげであろう。

 
 
 
<譜例におけるX標記は?> 
このX音符は通常では「呑む音」といわれていたような気がする。ちがうかもしれない。 いいのだ。ぼくは音楽教師ではないのである。ここで無責任な事を言ったからといってとがめられるはずはない。 そもそもこの研究自体総じて私的解釈で突き進めているのだ。さて、話を戻す。フライパンが熱くなってきたら 一旦火を細くして先ほど十分に泡立てた..........おや。話が戻るどころかそれていく。 このX音符は「呑む音」ではなく「doodleタンギングでのluでありしかもその近傍の音程の音が鳴ったか鳴らないか わかんなくていいが息は流れていて休符ではなくスライドの位置的には前後の音のポジションの間である確立が高い音」 なのである。この音をまともに記譜してまともに吹いてしまうとそれはもうおそろしく 「たかたかてけてけとんとんたんたん....」とおもちゃのようになってしまう。 だからまともに吹いて音にしてはだめなのである。

 
 
 
<アクセント記号、スラーなどなぜ書かないのか==そしてdoodleについてちょっと>
ぐちゃぐちゃになってしまうからである。そもそもこういったフレーズにアクセントとか スラーといった古典的記号でもって表現しようとしても無理があると思う。トロンボーンでのアドリブ演奏では タンギングとスライドワークが最も重要であり、これらを表現するには別の方法が必要ではないか? と今書きながら考えた次第である。そう。われながらなかなか良い考えだ。とすると「doodleタンギングの表記」 とか「スライドポジションの番号表記」とかこちらを中心に記述すると結構いけるのではないだろうか。 doodleについてはまた別のstudyで取り上げようと思っているのでここでは深入りしないが、ぼくの聞いた限りでは doodleタンギングのベスト賞はBob MacChesneyだ。「The Phil Norman Tentet ON THE TOWN (SeaBreezeSB-3022)」 を聴いてぶっとんだ。そして、Bob MacChesneyとはどんなplayerだろうかとインターネットを検索すると・・・ あった。http://membaers.aol.com/chesapeak3 。doodleの手本がここで聴ける。 この人はdleをulと表示している。なるほど。自分で納得したところでここは切り上げることとしよう。 そう。ぼくはこのetudeもっているんだ。イヒヒ。
さて、「doodleタンギングの表記」とか 「スライドポジションの番号表記」をやってみた。

 


 

 
チャートの解説
今回のサンプルの譜例を8分音符を一単位として記述してみた。 スライドポジションとタンギングである。スライドポジションは縦軸1、2、3、4は見ての通り。 タンギングの表記は次の通り。「D」はdu、diのたぐい、「L」はdleとかluのたぐい、 「K」はku、ki、そして「dk」と「T」は各一回しか登場していないが、これは苦しまぎれの表記であり、 「dk」は16分音符のところをそのとおり「ドゥク」。「T」はターンまがいで「トュル」である。 で、研究の成果が一つみつかった!3ヶ所の矢印である。DDLのDDの部分で1ポジション増加そして スライドを1ないし2戻しながらLそしてその次には強いDが来るというパターンだ。これは一つの特長である。

 
 
さいごに
どうして急に最後になったかというと疲れたのである。 ほんとうはもっと研究することはある。疲れがとれたら追記することにした。 2000年7月20日。7月22日。7月24日。

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