こらむ Tromboneアドリブの吹き方   

1.肩に力をいれて吹くこと!

姿勢は大切です。まずは姿勢について    
よく、教則本に「肩には力をいれてはいけない。自然に!」と書かれている。オレはこれをズーット信じてた。しかし、最近それではいけないということに開眼した!そう、オレは姿勢が良くないのであった。自然な姿勢をとると背中が丸いと言われる、もっと背筋を伸ばして歩きなさいと言われる、つまり、自然にしてはいけないのだ。この場合どうするか。そう、せめて楽器を吹くときだけでも姿勢を正さないとスピードのある音がでないから「肩を常に意識して、力をいれて、鎖骨を開いて」良い姿勢を保つ必要がある。これが案外難しい。ふと気を抜いていると背中が伸びていない自分がそこに居る。いかん!と思って矯正する。すると出なかったハイノートもすんなり出る。この繰り返しである。

(注:姿勢の良い人は教則本のおっしゃるとおり自然でよい。)

2.基礎練習はせずに好きな曲ばかり吹くのが良い!

そもそも楽しく吹きたいのだから、好きな曲を吹けばいいのである。もし、きみが音楽学校の受験をするとか、プロのトロンボーン吹きになるのだとか、たとえアマチュアであっても吹奏楽団に所属していてそこにしきたりがあるとか、個人レッスンを受けているとか、、、こういった場合はそんなことを言っていてはダメなんだが。個人的な嗜好でJAZZ、しかも、よりによってトロンボーンを吹くなんていう人はそう何人もいるとは思っていないが、要するに趣味の世界。カラオケに群がって流行の歌をワイワイ楽しむ連中と同じノリで吹ければいいんじゃないのか?
カラオケに行くのに基礎練習します?スケール練習とか。人生、時間は限りあるもの。音が少しでも出るようになったら好きな曲を吹けばいいんじゃないのか。

(注:しかし、基礎練習をぜんぜんしないと後で困ることになる。でも、それは困ったときに考えればよい。)

3.トロンボーンのアドリブはスライドワークに縛られるのだ!

このまえFM放送で某JAZZ評論家が「トロンボーンとオルガンはJAZZじゃないよ!」などと言っていた。勝手に言ってなさい。さて、トロンボーンでのJAZZアドリブ演奏は、なんといってもスライド伸縮速度、伸縮距離の限度内で演らなければならない。限度を超すわけにはいかないのである。ではこの限界をどう克服するか?方法はいろいろある。
(1)スライドを動かさない:
  この手段にはさらに3つの選択肢がある。
  a) ながーい音だけ出す。全音符とか。 
  b) 同じポジションでタカタカタカタカとタンギングで攻める。
  c) 同じポジションで倍音列を吹く。
  これらはなんとなくダサ。
(2)腕力を鍛え伸縮速度の向上をはかる。
  この手段もひとつの方法だろう。1ポジから6ポジの往復を8回/秒ぐらいできるとすごいかもしれない。
  でもオレはやらない。
(3)スライドをあきらめバルブトロンボーンを買う。
   これは違反である。違反は禁物。
   といいながらオレは昔バルブトロンボーンを買ったことがある。しかし、思ったほどうまく吹けなかった。
   違反したからだろう。
(4)スライドをあまりうごかさずにおいしいフレーズを出す研究をする。
   これが正解だろう。ただし、奥は深く決して完遂できるものではない。 
   

4.アドリブはmp、mf!

これには異説もあるだろう。しかし、オレはカールフォンタナさんが好きなのであるから、異説は無視する。
  トロンボーンはサックス、トランペットなどと違い音程操作装置(スライド)は基本的に連続可変のアナログなのである。特にクロマチックスケール的フレーズを中音域で演奏しようとしたときこの特徴は顕著にあらわれる。スピード感のある半音フレーズを奏でようとするならできるだけデジタル的な音程可変コントロールが必要とされるはずだ。これはff f ではコントロールが難しい。で、mf,mpぐらいの音量(空気流入量)で奏でるのである。スピード感のある流れる美しいフレーズとなる(はず)だ。もちろんパワー全開の体力勝負スポーツ音楽を目指しているプレイヤーには推奨しない。

5.指使いの練習は必要ない!

JAZZの教則本などで2-5-1のフレーズ練習とか言って12のkeyすべて記譜されているのを見たことありませんか?「どのキーでもできるようになりましょう!」とか書いてあったり。 こんな暴言がどうして許されるのでしょう。特にトロンボーンの場合は腕でスライドを伸縮させるんです。指なら「指がもつれた。もつれないように練習しなくちゃ!そうだ12keyのスケールやってどんな場面でももつれないようにしよおぉ。」ってのがあるかもしれないが、トロンボーンで「腕がもつれる」ような2-5-1のフレーズなんてーのは使えるわけがないんです。隣接するポジションでリップブレイクとかduldalタンギングを活用し、どのような16分音符が美しく並ぶか、いかにおいしいフレーズが演奏できるか、こっちのほうが重要です。しかし、話はそれますが指を使わないでアドリブするメロディ楽器ってトロンボーンとヴィブラホン、ハモニカぐらいですかねえ。やっぱマイナーですね。
                                            2000/10/27号  
 役に立ちましたでしょうか?たたないでしょうねぇ。では第2号をお楽しみに......


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