Don Sickler with Carl Fontana,Ralph Moore "NIGHT WATCH"
Recorded September, 19,21, 1990  UPTOWN RECORDS UPCD27.39

このアルバムはDon Sickler によるかなり力のはいったアレンジ物です。中の解説はアイラギトラーさんが字だらけになっていろいろと書いています。難しい単語がいっぱいあってよく理解できませんが、それによると、どうやらUPTOWNのボブさんが、フォンタナさんのtromboneを入れた4,5本のホーンアレンジ作品をドンさんに依頼したみたいです。選曲はアレンジをまかされたSicklerさんによるものではないかと思われます。聞けば聞くほど凝った曲で構成されています。後期フォンタナさんのアルバムにありがちな「その場ヘッドアレンジのA−B−A−B形式歌物」といったようなリラックスした作品はなく、譜面を渡されたらヤダナーと思いたくなるような気の抜けない作品です。 とはいえさすがフォンタナさん。すばらしいです。ついでといっちゃなんですが、他のメンバーもなかなか良い演奏をしています。
 
 

Number  Title 
90091909 HILL'S EDGE
テーマは14+16小節のようです。そう判断しないとソロ回しの16小節とのつながりがうまくいかないんです。1曲目の1番!ソロはフォンタナさんからです。6コーラスにわたって流暢なフレーズが聞けます。よいですねえ。6コーラス目にはバックリフが入ってきます。なんだったかなあ、コルトレーンのモーメンツノーティスだったかなあ。そんな感じのバックです。フォンタナさんの次はaltoのBobbyさん。なんとなくエリックドルフィを連想しました。次はtenorのラルフムーア。初めて聞きましたが若手のわりにはオーソドックスでコルトレーン、ブッカーアービンあたりを連想しました。好きです。次はリーダーのシックラーさんです。Sicklerさんは日本の夏のJAZZ祭りとかで来日したこともあってビデオを持ってるんです。ですから、既に知ってます。好みのタイプです。ケニードーハムねえ。そうでしょうね。いいですね。そんな感じ。 pianoのソロのあと、8バースをやってテーマに戻ります。
   
90091908 RONNIE'S A DYNAMITE LADY
 この曲のテーマではフォンタナさんは低音部を支えています。こういうのはめずらしい。CANDIDの頃のミンガスバンドのジミーネッパーのようなイメージですね。ドッドッドッファーー・ドッドッドッファーー(ファーは6ポジのファ)とか、白タマ・フォルテで低音ラーーーとかBb−−−−−とかやってます。フォンタナさんはこのテーマA-A'-B-B'-C-D-A(56小節)のAの5小節目からとCの頭それぞれ4小節でかろうじて目立たせてもらっています。アドリブはtsとtpだけでフォンタナさんはありません。
   
90091907 NIGHT WATCH<
 アルバムタイトルのNIGHT WATCH。ケニードーハムの曲。たしかにイーストコースト50年代60年代の感じが漂っています。シックラーさんの次がフォンタナさんです。出だしのンパッンパッンパッていうバックのところでのアドリブがやっぱり粋ですねえ。Fマイナーでブルージィーな雰囲気いっぱい。非常にいいソロです。そのあとに続くaltoのポセリさんも良いです。
     
90091906 SCENES IN THE CITY
fベルトーンから始まってフォンタナさんテーマ吹きます。曲の感じはやはりミンガス臭いバラードです。同じ10小節のテーマをts、as、tpが順番に歌います。そのあとaccelしていっておどろおどろしく「タリララリララリララ、タリララリララリララ、タリララリララリララ。」とみんなで歌ってからFマイナーのブルースになります。ここでも先頭はフォンタナさん。6コーラス。さきほどの曲と同じ雰囲気にはなってしまいますが、9小節目から後ろにおいしいところがけっこう出てきます。pianoのsoloが終わるとまた「タリララリララリララ、タリララリララリララ、タリララリララリララ」でテンポを下げて頭のテーマとなります。うむむ、やはり単純なFマイナーのブルースもこんなふうにおどろおどろしく仕立て上げるんだなあ。
 
90091905 ON THE REAL SIDE
テーマは(12x4)+8=56小節ってことか?こんなのはあえて数えなければなんてことなく聞き流すわけですが、どうなってるんだろうと思って数えるとこうなってしまうわけです。フォンタナさんのソロはこの曲ではないんです。ですからあえてココに感想文を書かなくてもいいんです。しかし、この長いテーマもさることながら、tsのバックでも延々と吹き伸ばしフレーズがあるわけです。こりゃ譜面は4枚はあるだろうなあ、ベルトーンもあるし、気が抜けないなあ、なんて心を悩ませました。あなたやりなさい!と言われたわけでもないのに....。
 
90091904 SOMETHING FOR KENNY
FONTANAさんのsoloはありません。
   
90091903 BARFLY
このアルバムで最大の聴き所っていう曲です。全編ににわたってフォンタナさんがフューチャーされています。26小節(だろうと思われる)のバラードで、テーマ+インプロビゼーション+テーマの3コーラスがすべてフォンタナさんの演奏となっています。途中アイリメンバークリフォードのようなtrpのラインがあって、そのあと2小節ダブルフィール、やはり凝ったアレンジですねえ。最後はチョットカデンツァでヒロロロリーってハイG音まであがる、そう、他でも聞いた記憶のある終わり方でした。この1曲がこのアルバムのオヘソです。
   
90091902 ONE DOWN
fontanaさんはsoloありません。
   
90091901 URANUS
WalterDavisJrの曲。日本語の「裏の畑に茄子がなる」からウラナスという題名がついたそうです。うそです。fontanaさんのsoloはありません。
   


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