Carl Fontana and Steve Huffsteter "Live at the Royal Palms Inn"
Recorded July 13-14, 1993 Kenton Alumni Series  WPCD37-6

Kenton Alumni Seriesは、CDタイトルでCarl Fontanaが前に挙げられているとFontanaを中心にした良い演奏が聴けます。逆に、後に挙げられている場合ハズレの確立が高くなります。そのてんから判断すると、このHuffsteterとのセッションはあたりのはずです。そして実際あたってます。JAZZスタンダード曲が多く楽しく聴ける一枚です。Huffsteterというtrumpet playerもなかなか味のある渋めなsoloで好感がもてます。リズムセクションも他のセッションに比べ良くまとまっています。
 
 

Number  Title 
93071308  A NIGHT IN TUNISIA
テーマはtrpが先発、FONTANAはペダルのAの係。ブリッジ部でメロ。trp solo の次がFONTANA。 出だし部分の4小節を軽快にすべりだし、1コーラス目はリラックスした流れ。FONTANAにはめずらしい低音のCがブリッジの後半に出てきます。アドリブ最中のフレーズでここまで下降するのは珍しいです。4コーラス非常に良いsoloが聴けます。特に最後のコーラスは3連符、16分フレーズが多発して盛り上がります。pianosoloをはさんでdrとの8bars-exchangeを2コーラス。ここで改めて感じましたがFONTANAのadlibは概して一息が長く、このぐらいのテンポの曲だと、だいたい8小節を一息で歌っていますね。このdrとのバースでも「うむうむ」さすが。という感動。2度3度と聴き、さらなる感動。ってとこです。
   
93071307 STAR EYES
 この曲もテーマはtrpが先発、FONTANAはブリッジ部でメロを吹いてそれ以外の部分は裏の合いの手です。trp、pianoに続いてFONTANAのsolo。力を抜いた(「力が抜けた」ではない!リラックスしたという意味です。)良い流れの演奏です。なかなか良い。このあとbasssoloとなり、またtrpのsolo。あれさっきやったんじゃないのかなと思うと17小節目からおもむろにテーマを吹き始めFONTANAもくわわって終了とあいなります。スローのバラードでもないのに珍しい終わりかたですね。Huffさんがテーマ吹きそこなったのかも。
   
93071306  IN LOVE IN VAIN
 FONTANAカルテットのバラード。これは美しいですね。良いですね。なんといってもこの手のバラードでFOTANAさんの奏法はすばらしい。TROMBONEでバラードとなると、ついついslideでのビブラートとかグリッサンドを多用しがち(まあこれもメロウでよいのですが)となるのですが、FONTANAさんの場合はちがいます。音量は小さいのにくっきりしたタンギングとそれに続く発音、音色、そして16分なのか8分なのかはたまた2拍3連なのか難しいタイミングの流れるフレーズ。このタイミングの難しさはコピーしても記譜できませんね。これって細川たかしのこぶしのきいた演歌をコピーする以上に難しい。つまりコピーできないのです。まあこのタイミングは譜面に書くもんではなく感じとるものでしょうね。すばらしい1コーラスでした。この曲は連続してHuffさんフィーチャーの次の曲へと進行します。
     
93071305  BUT BEAUTIFUL
Huffさんのみ。FONTANAさんはおやすみ。後ろでガムかんでんのかなあ。
 
93071304  BYE BYE BLACKBIRD
テーマはFONTANAが吹きますHuffさんがブリッジ。FONTANAさんのsoloは静かに始まります。1コーラス目はpianoナシのtrio演奏です。良いですねえ。そのまま充実した5コーラスsoloです。FのキーでFONTANAさんの基本フレーズが一杯出てきますのでこれ、コピーしました。trp-piano-bassのあと8バース(英語ではtrade eightsって言うようですね。あまり聞かないけど)で2コーラス。テーマの最後は2-5-3-6でjamってかなり長い間ようすうかがい。どうやって終わるのかなあとおもったらFONTANAさんがドラムの方を向いて次で終わるよと目で言ってからありがちなフレーズ2回でみごと!とおもったらFONTANAさん以外は結んだにもかかわらず1人字余りとなり笑っておわった。愛敬愛敬。
 
93071303 HOW DEEP IS THE OCEAN
FONTANAさんがテーマでHuffさんが合いの手です。この曲もすばらしくよいですね。FONTANA-trp-pianoの順です。trpのマイクがレベル上がっていなくてはじめ聞こえません。でも私は気にしてません。そう。FONTANAさんのsoloじゃないから。で、pianoのあとは8バース。2コーラス目のFONTANAさんは8小節一息のようです。
   
93071302 PEOPLE WILL SAY WE'RE IN LOVE
この曲もFONTANAカルテットです。まあ、途中にtrpsoloはありますが。どうやら1コーラス48小節のようです。solo順はFONTANA-trp-piano-8barsです。この曲もFで基本パターンに満ちた良い演奏です。
   
93071301  I'LL REMEMBER APRIL
いやあ速い。こりゃ速い。テーマとsolo一番手はフォンタナさんの独壇場。この速さで8分連続フレーズがよどみなく流れます。FONTANAさんのすばらしいところはこのような速い8分フレーズがメロディックであるところです。タンギングの練習エチュードみたいなフレーズではないところが良い。音域的には中音域。にもかかわらずタンギングの切れは良く音の粒もそろっていて聴いていてうれしくなります。おおおおおおおおおっ。てとこです。この曲でも一息の長いフレーズが随所に聴かれます。一緒に呼吸すると凄いんだなあと改めて感動します。むむむむむむむむむむむっ。てとこです。
   


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