THE JAZZ TROMBONE
   ALLEN HERMANN / CARL FONTANA
Recorded june 2001 -----------Sea Breeze Records SB-3070

2001年6月録音。 CDとしては最後の録音。しかしなんですねえ、 もうちょっと気のきいたCDジャケットにしてほしいもんです。
「火星に降り立ったガンジーとその相棒、砂嵐の中でトロンボーンを吹くの巻」みたいです。
タイトルもかなり安易に「ザ・ジャズ・トロンボーン」ときた。買って欲しくないのかなあ。 
なにはともあれ、内容はとてもすばらしいものです。Allen Hermann という今回初めて聴く未知のトロンボーン奏者。
62歳とは思えない脅威のテクニックとそれなりの味がでてます。リズムセクションもとてもよいし。

>>>>>アレンさん来日の記録はこちら 。その際本人に確認して下記一部訂正あり。20050227

Number  Title 
01070011 It Might as Well Be Spring
 イントロあてクイズをやるとIf I Only Had A Brain といってしまう。でもIt Might as Well Be Spring 。
テーマはallenさんでfontanaさんはからみ。結構早いサンバ。
allenのソロ。初めて聴いたがこれは好感がもてる!次fontanaさん。調子は悪くないが、高い音はGまで。メロディーのラインが描けるアドリブライン。
ほんとに中音域だけでここまで表現できるのにはあらためて感服しました。 後テーマもallenさん。
fontanaさんのからみはいつもどおりすばらしい。
BbAb繰り返しのフェードアウトでおわり。
01070010 I'm Old Fashioned
 allenテーマでfontanaさんからみ。ギターがいい感じの4beat。リラックスしてる曲です。
allen4fontana4allen4fontana4 サビ8からfontanaさん12というテーマ。こまかい。
allenから。>ピアノ>fontanaさんのアドリブは聴いたことのあるフレーズではじまる。9小節目からの4小節は一息で16分のフレーズが健在。29小節目で高いBbが一粒でた。ちょっと苦しそうかな。あとはGまで。下はD。後のテーマはallenでfontanaからみ。
最後4小節はアレンジされたハモになってます。さいごはA音。
01070009 Meditation
 テーマ1小節目はモリタート、マックザナイフに聴こえます。でもMeditation。
テーマはfontanaさんが吹きます。レード、みみれーーのはじまり。
allenから。andyみたいな音質。続いてfontanaさん1コーラス。 ここでもメロディーラインをなぞっている感じ。狭い音域なのにこれだけメロディックなのはさすが。フレーズは基本fontanaパターン。しかも高い音はGまで、速いフレーズもない。これ、コピーしよう。終わりのテーマはallenさんで、fontanaさんはからみ。さいごはぶなんなFの音。
01070008 Limehouse Blues
 古い感じです。カンサスシティースタイルっていうんでしょうか。(*訂正:ニューオリンズの比較的新しいスタイルだと本人から聞きました。)ギターの刻みがいいです。
allenが テーマ、fontanaさんはからみ。アドリブはfontanaさんから。この曲は2コーラス。こだわっているわけではないが最高音はG。やっぱり高い音はきつくなった時期なんでしょうね。とはいっても4小節目から8小節目では16分フレーズもでるし、CbからCへのしゃくり上げがそこここで聴かれ渋く光ってます。allen>pianoと各2コーラス。後テーマfontanaさんに交替。allenからみ。さてと、エンディング部はちょっと不v議。さいごの2音はallenのオーバーダブでのハモリ。fontanaさんは吹かなかったのか?帰ってしまったのかな。いや、なんとなくではあるが、最後は3-6-2-5でリピートしてたのだが失敗して編集段階でcut、あとからfontanaさん以外でおわりのフレーズを付け足したとか。。。このように想像して聴き直すとpianoのフレーズも3-6-2-5でまだ続ける意思があったかのようにも聴こえてきた。あくまでも推測。
*訂正:アレンさんがオーバーダビングしたのは正解。なぜそうしたかは忘れたけど、なんだかクリアじゃなかったということだった、リズムセクションは録音のままいじってない。と本人から聞きました。)
01070007 Emily
 fontanaさんの得意とするバラード。しかし、アドリブコーラスはない。残念。
テーマ部はfontanaさんです。とても美しい。DEFGAーーーーとAの音が聴けました。よかった。allenさんが1コーラス、pianoが半コーラスでテーマに戻ります。ここではallenさんがメロ。終わりはぶなんにAを伸ばすだけにとどまってます。
01070006 Stella by Starlight
 ギターが4つ刻み、ドラムはブラシでというリズムでのステラ。テーマはfontanaさんが担当。この音質がいいいい。ブリッジは突然ではありますがオクターブ下に。無理はしない。ビルワトラスではない。するどい判断。fontanaさんからのアドリブです。ここでもメロディーラインのフェイクといった感じで流してます。 fontanaさんのアドリブラインは基本的に元のメロディーをベースにしている特徴がこの時期には顕著に現れているのだと思いますね。ブラシからスティックになってもうひとコーラス。むりのないフレーズで。>allenへ。ちょっとボブマッチェスニにも似てる感じです。ギターの刻みにのってベースが半コーラスで繋ぎ後半テーマallenさん。fontanaさんはからみ。ラーと伸ばしておわり。
01070005 The Night Has a Thousand Eyes
 fontanaさんテーマ、allenからみ。A-B-Aの48小節だけで1コーラス。TAGのところないです。
そのままfontanaさんへ。ギターが刻んでる。お。ピアノいないみたい。やっぱり高音はGまで。Aがさいごのほうに1つぶ。allenさんへ。ここでpianoは復帰。ピアノをはさんでallenさん、ドラム、fontanaさんでtrade8の1コーラス。後テーマはallen。フェードアウトで終わり。
01070004 The Days of Wine and Roses
 これもStellaと同様ブラシ+ギター4つ刻み。このギターさんは刻みだけに徹していてえらい。
テーマはallenさん。fontanaさんからみ。しかしどうしてこんなにいい音選んでからめるのだろう。
ソロはfontanaから。ギター刻み。2コーラス目にAがひとつでた。16分フレーズはでてこない。無理してない。 allen>pianoを経てallenとfontanaさんのtrade4で2コーラス。ここはこのCDのハイライト部分。4小節のイデオム集である。どれもいい。Aも2回でてきたし。テーマallenさんでfontanaさんからみ。最後にキメアレンジがあってレーのばし。
01070003 It's You or No One
 allenテーマ、fontanaさんからみです。このパターンがこのレコーディングの基本形みたいです。ピックアップでfontanaさん。テンポは軽快。Aもでる。典型的なフレーズ。最後はレッレレレレッレー。>piano>allen。軽くてよいよい。>fontana、allenでtrade4による1コーラス。すばらしい。後テーマallenさんでfontanaさんからみ。ここでfontanaさんは下の6ポジションのCを使いました。珍しい。
01070002 Polka Dots and Moonbeams
 allenテーマfontanaさんからみ。なかなか良いからみ。アドリブはfontanaさんから。とても調子いいみたいです。ブリッジ部分は倍テンぎみになります。つぎのallenさんはすばらしい。が、ちょっと音数多すぎるかな。moonbeamsというよりは花火のイメージ。どうしてもトロンボーンの場合、こういうバラードで32分音符で走り回るとレガートタンギングとはいえやはりあわただしくなってしまう。さいごの1コーラスはテーマのフェイクでtrade8、trade4そしてほんの少々よくやるカデンツフレーズで決めハモで終わり。
01070001 The Song Is for You
 allenさんがテーマ、fontanaさんからみでスタート。guitarはリズムセクションに徹している。
allenに続いてfontanaさんの1コーラス。かなり調子良いできです。高いBbまででました。
最後はラのモールス信号フレーズ。この1音だけでのフレーズがなんともいえず心地よいのはなぜでしょう。後テーマもfontanaさんのおいしいからみ。終わり4小節はキメで。



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